学歴、外見、収入…。自分が他人に劣っているときに感じる苦しい劣等感は誰しも抱くものです。
劣等感というネガティブな感情は自分を苦しめることになります。アドラー心理学では、この劣等感に過剰に反応することで苦しみや不安障害、うつ病などの精神的不調が引き起こされるとしています。
劣等感は、考え方によっては自分の成長の糧にすることができます。そんな劣等感の捉え方と実際に私がやっている乗り越え方について紹介します。
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苦しいけれど、劣等感自体は悪いものじゃない
私たちは誰でも少なからず、もっと痩せたい、とか、もっといい仕事に就きたい、などの今ある状態に対してある種の不満感を抱いています。アドラーはこの不満感に「劣等感」と名前を付けました。
そしてアドラーはこの「劣等感」を日々の生活をより良いものにしたり、自分自身の目標を達成したりするためのエネルギーとなる、前向きな感情だと捉えています。
つまり、この「劣等感」自体は悪いものではなく、「劣等感」の間違った解消法が私たちを苦しめているんです。
良い解消法としては、次のような行動が考えられます。
- 努力による改善(例:ダイエットを頑張って痩せる)
- 他の得意な分野で優位性を持つことで解消する(例:整理整頓は苦手だけど、料理は得意だ)
- 劣等感自体の受け止め方を変える(例:背が低いことで、相手に威圧感を与えずに接することができる)
- 劣等感を抱くこと自体を肯定もせず否定もしない(例:あの人より成績が悪いな嫌だな。あ、今あの人に負けたような気がして嫌な気持ちになっている)
一方で、「劣等感」を次のような行動で解消しようと自分を苦しめることになるでしょう。
- 自分より優れた相手をけなすことで自分を慰める(例:金持ちだけどいけ好かない性格だ)
- 自分より劣っている相手をけなして自分を慰める(例:あんな安物のバッグを使ってみっともない)
- 抑えつけて考えないようにする
- お酒などに依存する
劣等感を克服するためには
「なぜ?」は考えない
なにか問題を抱えたとき、ひとは「なぜ?」そうなったか原因を追究します。しかし、物事は「なぜ?」がわかっても解決できないことがあります。
例えば太っている原因を追及したところで、頭に浮かぶのは「食欲に勝てない自分」や「運動が続かない自分」ですよね。
「なぜ?」を考えたところで辛くなるばかりです。アドラー心理学では、問題や辛いことがあったとき、「どうやって」解決できるかに注目します。
自分を責めず、改善に向かって動く
「○○でない私」を責めないでください。そのままの自分を受け入れましょう。
そのうえで自分の理想と、現在の自分を比較して足りないところを補えばいいんです。
劣等感を克服するためにはどうしたらいいかをまず考えましょう。劣等感自体に踏みとどまっていると、落ち込むばかりです。
すぐ改善案を考え、良くなる可能性に目を向けることで、劣等感をポジティブな力にするステップはもう踏めていると言えるでしょう。
劣等感を感じたら即行動
「給料が低い…」、「太っている…」、劣等感を感じたらその苦しさにおちいる前に行動しましょう。
給料が低いと思うなら、転職サイトに登録だけしてみる。太っていると思うなら、階段を上ってみる。
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最初から大きなことをやる必要はありません。改善に向けてなにか取り組んでいるというだけで楽になるものです。
脳科学的に見ても、一度やりだすことで脳が活性化し、やる気が湧いてくる「作業興奮」という仕組みがあります。
いま劣等感にがんじがらめになって先に進めなくなっている人は、まずちょっとしたことでいいので改善に向けて動き出してみてください。動き出してみたら、意外ととんとん拍子に前に進むこともあります。
これを読んでいるあなたは真面目な性格ではありませんか?深く考えずにまずは動いてみましょう!